「詩はこころのおやつ」海乃もくずの詩のブログ

文を書いています。活字中毒者です。このブログでは詩 poetry lyricsをつづっていきます

☆さらってもいいかい

その遠くに思いを馳せる瞳で

しっかりと僕だけを捉え

おもいつけるだけのわがままを

僕に際限なくぶつけ

君の存在をどうしようもないほど

僕のこころに刻みつけて欲しい

 

さらってもいいかい

泥棒に身をやつしたっていい

目に見えるものは全て僕のものだ

さらってもいいかい

誰にも秘密だよ

木馬の中で僕を待って

 

さらってもいいかい

涙の中に広がる虹は

紅茶の中に広がる沈黙に似ている

さらってもいいかい

君の温もりに触れて

僕のいのちは芽吹いたんだ

 

きみのことしか

 

一緒に行くと言ってくれ

君が望むのならば

絹のバラ園を一瞬のうちに

エメラルドの氷が張る

湖に変えよう

一緒に行くと言ってくれ

目に見えるものは全て僕のものだ

そして目に見えないものさえも

君に関する全てのものは

 

どうか一緒に行くと言ってくれ

戸惑う君の横顔の作る線を

指先でゆっくり辿る僕

透き通るようなこの瞬間

僕ならば君に与えられる

 

考えることなどない

ただ目を閉じるだけでいい

僕が君を連れていく

君のためだけに微笑む僕を

扉は開いて待ってくれているから

 

910903