「詩はこころのおやつ」海乃もくずの詩のブログ

文を書いています。活字中毒者です。このブログでは詩 poetry lyricsをつづっていきます

ユカイな恋☆

僕のユカイな体験を聞くかい?

 

ただ一人の女の子と

一緒にいたかっただけなんだ

 

真昼間からなにか

強いドリンクが欲しくなる

醒めていた僕を見つけた君

君は最初になんていったんだっけ

その言葉でラムのグラスが弾けたんだ

 

君は一体どこから来たの

仲間の問いに君は笑うだけ

ひょっとして億万長者の娘とか

まさか、と笑う君の口元が

ちょっと硬くなったのを見逃さなかったぜ

 

やがて街に行方不明手配書がばらまかれる

ソーダポップのキャンディ色した瞳で

太陽に当たると虹色になるブロンド

痩せっぽちのきみを50万で探せ

 

探偵や刑事は50万を70万につりあげろと

君のパパを説得中

50万で御の字の民衆は

君を狩るために犬や銃を用意する

まるで君はキツネかウサギになった気分

 

僕は君の手を取って

小さなレストランに隠れるけど

小銭を拾うふりをして

君を確認する男たち

僕たちは逃げなければならない

 

テレビに君のパパ

ネットニュースに君のママ

YouTubeに君のフィアンセ

涙ながらに訴える

 

泣いてる彼らの言うところによれば

君をつれて逃げてる僕らは

見つかり次第死刑だそうだ

娘の嫌がる結婚を押し付けといてよく言うね

 

僕らの見つけた小さな町

君は独房アパートの中

息も絶え絶えに潜んでいる

君の賞金は200万まで跳ね上がり

人々はこのアパートを怪しみ出す

 

ついにその日がやってきて

僕らは奴らの手で大海にほおり出される

だけど僕らはこんなことで

諦めたりしない

素晴らしい黄金の頭脳と最高の仲間

 

なんだってやってやる

一緒に逃げてるあいだに

君の気持ちを掴んだのは僕

僕の気持ちを掴んだのは君

 

僕はただ君とずっと一緒にいたいだけ

 

話を聞いたからには

一口噛むよなあ

今夜待ってるぜ

 

s600120