「詩はこころのおやつ」海乃もくずの詩のブログ

文を書いています。活字中毒者です。このブログでは詩 poetry lyricsをつづっていきます

瞳をかえしてよ

かなり厳しい寒さから立ちあがったのに

あんたはまだ3分きっかりの

砂時計を疑っている

 

一人でここまで這い上がったのよ

伸びすぎた髪が肩に絡みつき

あんたという木が砂漠にはえ

 

片目がないのよ

いつまでも待っていられないのよ

資料を元にしてサソリを愛したの?

あんたには謎がありすぎる

 

もうこれ以上走れないのに

体温計にあんたのDNAがついている

切った爪から涙が零れる

 

通り過ぎる車が

あたしの影をはねていく

 

意味の無いあたしは

目はないけれど見える

肖像画いっぱいに映し出される

あんたの視線が作る世界

 

懺悔の時間ね

あたしは今月面に立った

賢いあんたは言われた通り

教科書に祈りを捧げる

 

あたしは下へ下へと落ちていくからね

みんなの中心に立ったあんたは

それからうわさと心中する

 

何か言わないと唇が切れそう

核の中の瞳をついに取り戻したわ

あんたの魂が海の掃除をする頃

二つ目のあたしは反旗を翻す

 

さまよえるあたしが戻り

感情のない夢見る子羊を

すべて焼き払ってしまう

 

通り過ぎる車が

あたしの影をはねていく

はねていったんだ

 

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